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家は上から壊す?下から壊す?意外と知らない解体の順番
解体工事と聞くと、
「重機で1階の壁を壊したら、そのまま家がドーンと倒れる」
そんなイメージを持っている方もいるかもしれません。
映画やテレビなら迫力があっていいのですが、実際の住宅解体でそんな壊し方をしたら大変です。
では、家は上から壊すのでしょうか?
それとも下から壊すのでしょうか?
基本的には、安全を確保しながら上から順番に解体していきます。
ただし、実際の解体工事は単純に「屋根→2階→1階」と壊すだけではありません。
今回は、普段なかなか見ることのできない**「家を解体する順番」**をご紹介します。
いきなり重機で家を壊すわけではありません
現場に重機がやってきたからといって、すぐに建物をバリバリ壊し始めるわけではありません。
本格的な解体に入る前には、さまざまな準備があります。
電気・ガスなどの停止や切り離しを確認し、足場や養生シートを設置。
さらに建物内部にある建材や設備などを、工事計画に沿って取り外していきます。
解体工事は、実は**「壊す前の準備」がかなり重要な工事**なのです。
まずは家の中から解体します
建物本体を重機で解体する前に行うのが、内部の解体・分別作業です。
例えば、
-
畳
-
建具
-
石膏ボード
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木材
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断熱材
-
ガラス
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金属類
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住宅設備
など、建物にはさまざまな材料が使われています。
これらをできるだけ種類ごとに分けながら撤去していきます。
「どうせ最後には全部壊すのに、先に外す必要ある?」
と思うかもしれません。
しかし現在の解体工事では、廃材を適切に分別して処理することが重要です。
そのため、家を一気にグチャグチャにするのではなく、まず分けられるものを分けていくのです。
次は屋根材を撤去
建物内部の作業が進んだら、屋根材などを撤去していきます。
瓦やスレートなど、住宅によって使用されている屋根材はさまざまです。
特に古い建物の場合、屋根材などにアスベストが含まれている可能性もあります。
そのため解体工事前にはアスベストの事前調査を行い、含有が確認された建材については必要な飛散防止措置を行ったうえで、適切な方法で撤去・処分します。
「とりあえず全部重機で壊す」ではない理由のひとつです。
建物本体は基本的に上から下へ
準備が整ったら、いよいよ建物本体の解体です。
2階建て住宅であれば、基本的には上部から少しずつ解体していきます。
屋根・上部
↓
2階部分
↓
1階部分
というイメージです。
なぜ上からなのでしょうか?
理由はシンプルで、建物を不安定な状態にしないためです。
もし1階から先に壊したら?
例えば2階建て住宅で、いきなり1階の柱や壁をどんどん撤去したとします。
当然、その上にはまだ2階部分の重量が残っています。
建物を支えている部分を先に失えば、意図しない方向へ崩れる危険があります。
隣家との距離が近い住宅街なら、なおさら慎重な作業が必要です。
そのため、建物の状態や構造を確認しながら、上部の荷重を減らしつつ安全に解体していくことが基本になります。
「上から」といっても一気には壊しません
ここも解体工事のおもしろいところです。
「上から壊す」と聞くと、
上から一段ずつスパッ、スパッ
とケーキのように解体する姿を想像するかもしれません。
もちろん、そんなに単純ではありません(笑)
建物の構造や重機を置く位置、隣家との距離、道路側なのか敷地奥なのかなどを確認しながら進めます。
解体した廃材を安全に落とせる場所も必要です。
「どこから壊せば安全か」
「重機をどこに置くか」
「廃材をどこへ集めるか」
「ダンプをどこへ配置するか」
まで考えながら作業しています。
狭い住宅街では、最初から大きな重機が使えないことも
広い敷地なら比較的大きな重機を使用できますが、住宅街ではそうはいきません。
建物が敷地いっぱいに建っていて、
「そもそも重機を置く場所がない!」
という現場もあります。
その場合は、人の手で建物の一部を解体する手壊しを行ったり、小さなミニユンボを使ったりして、まず作業スペースをつくります。
スペースが確保できたところで、より大きな重機へ入れ替えることもあります。
つまり、同じ木造2階建てでも現場によって解体する順番や方法は変わるのです。
隣の家に近い部分は特に慎重に
大阪の住宅街では、
「隣の家まで数十センチしかない」
という現場も珍しくありません。
こうした場所で、隣家側の壁を勢いよく外へ倒すわけにはいきません。
建物を敷地の内側へ取り込むように解体するなど、周囲の状況に合わせて慎重に作業します。
必要に応じて手作業を組み合わせることもあります。
解体工事は「力いっぱい壊す仕事」に見えますが、実際には壊す方向をコントロールする仕事でもあります。
建物がなくなったら、次は基礎
屋根、2階、1階……。
建物本体がなくなると、
「これで終わり!」
ではありません。
地面の下には基礎が残っています。
重機を使ってコンクリート基礎を撤去し、コンクリートと鉄筋などを分別しながら搬出します。
住宅によって基礎の形状や厚さも違うため、ここでも現場ごとの対応が必要になります。
基礎を撤去したら地中も確認
基礎を撤去すると、それまで見えなかった地面の中が確認できるようになります。
そこで、
昔の基礎
コンクリートの塊
古い配管
浄化槽
井戸
などが見つかる場合があります。
これらは現地調査の時点では確認できないこともあります。
いわゆる地中埋設物です。
見つかった場合には状況を確認し、必要に応じて施主様へご説明したうえで対応します。
最後は整地して完成
建物と基礎を撤去し、廃材の搬出が終わったら、最後に土地を整えます。
重機で地面の凹凸をならし、現場に残っている細かな廃材などがないか確認します。
解体前には家が建っていた場所が、きれいな更地へ。
ここまで来て、ようやく解体工事完了です。
解体工事の順番をまとめると?
一般的な住宅であれば、おおまかな流れは、
① 着工前の準備・養生
↓
② 内装材・設備などの撤去、分別
↓
③ 屋根材などの撤去
↓
④ 建物本体を上部から順番に解体
↓
⑤ 基礎を撤去
↓
⑥ 廃材を分別・搬出
↓
⑦ 地中の確認
↓
⑧ 整地
↓
完成!
となります。
ただし、建物の構造や立地条件によって順番や工法は変わります。
豪快に見えて、実はかなり計算しています
解体現場を外から見ると、大きな重機が建物を豪快に壊しているように見えるかもしれません。
でも重機オペレーターは、
次にどこを壊すのか。
どちらへ材料を落とすのか。
建物のバランスは大丈夫か。
作業員は安全な場所にいるか。
隣家や道路側に影響しないか。
などを確認しながら操作しています。
重機のパワーだけで壊しているわけではありません。
むしろ、「壊してはいけないものを守りながら、壊すべきところだけを順番に壊す」技術が必要な仕事です。
家は「ただ壊す」のではなく「安全に小さくしていく」
今回のタイトル、
「家は上から壊す?下から壊す?」
の答えは、
基本的には上から。
ただし、本当の解体工事はそれだけではありません。
内部を分別し、屋根を撤去し、建物の構造や周辺環境を確認しながら少しずつ解体し、最後に基礎を撤去して土地を整える。
一軒の家を安全に解体するためには、きちんとした順番があります。
街中で解体現場を見かけたら、
「今はどの段階なんやろ?」
と少し見方を変えてみてください。
昨日まで2階建てだった建物が少しずつ低くなり、最後にはきれいな更地になる。
普段はなかなか意識しない、**解体工事の“順番”**が見えてくるかもしれません。
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